
コース
COURSE
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ご挨拶
GREETING
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研究科長からのご挨拶
東京大学 大学院新領域創成科学研究科
研究科長伊藤 耕一
少子高齢化は、21世紀の人類が直面している深刻な問題の一つです。世界で最も高齢化が進む日本では、認知症患者の急増や、介護者の不足などが喫緊の課題となっています。私達が心身ともに健康で自律した老後を過ごすためには、早急に根本的な解決策を見出していかなければなりません。
東京大学大学院新領域創成科学研究科では、分野横断的な専門知と実践知の融合により新しい学問領域を創り出すことを目指しています。本年度に開設するスマートヘルス・スクールでは、生命科学と人間環境学を融合させ、少子高齢化における課題解決を担う人材を育成します。
本スクールでは、細胞の老化を制御する原理を理解し、健康寿命を延伸させる仕組みを開発するために、工学的素養やデータサイエンス分析に必要な数学的手法も学んでいきます。また、近年成長が目覚ましい生成AIやデジタル技術についても、課題解決にどのように活用できるのかを、様々な立場や視点から議論していく予定です。座学だけではなく、当研究科がある柏の葉地域に点在するオープンイノベーション施設などを訪問し、最先端の科学技術を実際に体感できるプログラムも設けています。
受講される皆さんが、少子高齢化社会における課題解決のためのイノベーションを創出し、その社会実装を世界に先駆けて目指す仲間となることを期待しています。互いに対話を深め、学び合いましょう。 -
本スクールの開設にあたって
東京大学 大学院新領域創成科学研究科
スマートヘルス・スクール長久恒 辰博
医療システムの向上や生活環境の整備により、我が国の平均寿命や健康寿命は常に世界の中でトップレベルにあり、世界随一の長寿国として、その名声はゆるぎない状態が続いています。寿命が延びることにより認知症を患うお年寄りの増加が懸念されてきましたが、国を挙げての健康施策により認知症の発生率は世界で最も低い水準にあるという研究結果も出てきました。その一方で、現役世代への大きな負担が顕在化してきています。我々は、高齢者の健康を維持することで、若い世代にも何かメリットが還元される仕組みを構築していかなければならない局面を迎えているのではないでしょうか。そして、この大きな社会課題を解決するために、最新テクノロジーの活用に期待が寄せられています。東京大学は目指すべき基本方針として、人類が直面するさまざまな地球規模の課題解決に総力を挙げて取り込むことを示しています。
この方針のもと、東京大学大学院新領域創成科学研究科に、新しい社会人教育プログラム「スマートヘルス・スクール」を立ち上げることにいたしました。日本においては、国民の5人に1人が後期高齢者という超高齢化社会をむかえ、課題を解決できる人材の育成が急務です。本スクールでは、東京大学の生命科学だけではなく、生成AIに代表される情報科学の分野で活躍する優れた講師による専門的かつ実践的なプログラムを用意しています。
受講生が少子高齢化社会の課題を解決できる、世界をリードする卓越した人材になっていかれることを期待するとともに、こうした新しい社会人リカレント教育の場が、大学と皆さんが社会課題を共有し、解決していくプラットフォームに成長していくことが出来れば、望外の喜びにございます。
本スクールについて
ABOUT

スマートヘルス分野の推進に
寄与する人材を育てます。
本スクールは人生100年時代における新たな社会課題を読み解き、デジタル技術や最先端技術を活用した課題解決のためのビジネスモデルを考案し、社会実装するスマートヘルスケアの担い手となる若手から中堅、そして経営層の社会人を対象とした教育プログラムです。関連分野の第一線で活躍する講師陣による講義と討論、最先端技術の現地視察はもとより、社会課題の抽出やビジネスモデルの構築に関するグループ討論を集中的に実施することを通じて、現状を俯瞰的に捉えて課題解決アイデアを創出し、ブラッシュアップする思考力をつけていきます。スマートヘルスの技術を社会実装にまでつなげていく専門知識を身に付け、今現在進行中である少子高齢化社会における社会課題の解決に資する、デジタル技術やデータ活用による近未来の事業計画を立案することができる人材の育成を目的とします。
本スクールは、スマートヘルスをテーマとした関連分野の知識や技術、考え方の修得を通じて、少子高齢化における課題を自ら取組む意欲を持つ社会人の方を対象とします。民間企業、行政機関、研究機関、 コンサルタントなど様々な組織や個人、また食品、医療・介護、ICTなど製造業からサービス業に至る様々な業種からの参加を想定しています。リアルワールドから収集された健康関連ビックデータを、近年特に発展が著しい生成AIを含めた人工知能技術をフルに活用して、少子高齢化における社会課題の解決のためのヘルスケアサービスを実現することができる高度人材を育成することを目標としています。本教育プログラムを通じて、ヘルスケア産業の振興に向けてマーケットインに基づいてシーズアウト戦略を加速させることを担う、産業活力を増強させうる人材を養成します。
4つのスキル
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少子高齢化に伴う社会課題を解決するために、異分野と連携をして新たな事業を構想し、イノベーションを創出していくために必要な高度なコミュニケーションスキル。
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人生100年時代を見据え、認知症患者や要介護者の急増など少子高齢化に関する課題を、倫理や持続可能性を考慮した視点で問題の把握ができる大局的な視野。
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エイジングに関する最新テクノロジー、データサイエンスや人工知能技術を対面で学ぶことにより得られる、課題を解決するための分析能力。
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組織全体の成長を支える構想や企画を支え、企業内の新規プロジェクトや事業改革を推進するために、ビジネスモデルに繋がるアイディアを具体的に作り上げていく力。
本スクールの設置に並行して実施中のプロジェクトです。
老化を食い止める制御技術と疾病予測・介入技術を開発し、デジタル技術を活用してスマートヘルス健康支援システムを構築し、社会実装することを目的としています。